「去勢・避妊ってかわいそうじゃない?」「本当に必要なの?」
初めてワンちゃんを迎えた飼い主さんなら、一度はそう思うのではないでしょうか。
去勢・避妊手術は「ただ子どもを作らないため」のものではありません。
健康面、性格面、そして飼いやすさという点から見ても、非常に大切なケアのひとつなんです。
今回は、将来の病気の予防という視点と、手術に関わる現実的な「費用」や「通院」「注意点」なども含め、リアルな情報をたっぷりお届けします。
● 去勢・避妊手術ってどんなことをするの?
去勢手術はオスのワンちゃんの精巣を摘出する手術、避妊手術はメスのワンちゃんの卵巣や子宮(または両方)を摘出する手術です。
手術は全身麻酔で行われ、一般的には日帰りまたは1泊入院。
術後1週間前後で抜糸を行い、経過が良好ならすぐに普段通りの生活に戻れます。
※最近では「糸を使わない(吸収糸)」縫合も増えており、抜糸が不要な場合もあります。
● 去勢・避妊のメリットは「病気の予防」と「飼いやすさ」

① 将来的な病気の予防
- オス:前立腺肥大、精巣腫瘍、肛門周囲腺腫などの予防に
- メス:乳腺腫瘍(特に初回発情前に避妊すると予防効果大)、子宮蓄膿症、卵巣腫瘍のリスクが激減
特に子宮蓄膿症は命に関わる病気で、発見が遅れると危険な状態になることも。
高齢になってからの緊急手術は、ワンちゃんへの負担も大きくなります。
② 性格面・飼いやすさの変化

- 発情によるストレス・鳴き声・マーキング行動の軽減
- オスの場合、マウンティングや攻撃性の減少が期待できる
- メスの発情出血がなくなるため、お部屋を清潔に保てる
もちろん個体差はありますが、多くの飼い主さんが「落ち着いて飼いやすくなった」と感じるようです。
● 手術のタイミングと通院の流れ
一般的に、去勢・避妊は生後6ヶ月〜1歳くらいまでに行うのが理想とされています。
ただし、成長の早さや体重、持病の有無によって前後するため、かかりつけの獣医師と相談して決めるのが安心です。
■ 通院の流れ(例)
- 1回目の来院:事前診察・血液検査(麻酔に耐えられるかチェック)
- 2回目の来院:手術当日(朝食抜き)→日帰り or 1泊入院
- 3回目の来院:術後チェック・抜糸(術式により不要な場合あり)
● 気になる費用は?

動物病院や地域によって差がありますが、おおよその目安は以下の通りです(小型犬の場合):
手術内容 | 費用の目安 |
---|---|
去勢手術(オス) | 20,000〜35,000円 |
避妊手術(メス) | 30,000〜50,000円 |
この金額には、診察代・血液検査・麻酔代・薬代・術後ケアが含まれることが多いですが、
病院によっては別途費用がかかることもありますので、事前の確認が大切です。
● 手術によるデメリットや注意点も知っておこう
メリットが多い去勢・避妊手術ですが、デメリットもゼロではありません。
- 術後に太りやすくなる(ホルモンバランスの変化による)
- 全身麻酔のリスク(※血液検査などで事前に安全性を確認)
- 手術そのものに対して精神的な不安を感じる飼い主さんも
特に体重管理は術後のポイントになります。
食事の量や運動量に気をつけることで十分コントロール可能なので、獣医師と相談しながら対策しましょう。
● 最後に:後悔しない選択をするために

手術をするかどうかは、最終的には飼い主さんの選択です。
でも、病気のリスクを減らし、ワンちゃんが健康で長生きできる可能性を高めるためには、 非常に有効な選択肢です。
また、発情によるストレスが減ることで、ワンちゃん自身も穏やかに暮らせるようになるケースも 多く見られます。
大切なのは、「してあげる」手術ではなく「一緒に幸せに暮らすための準備」だということ。
心配なこと、不安なことは遠慮せずに獣医さんに相談して、納得した上で決めてあげてください。
将来的に「しておいてよかった」と思える日が、来るといいですね。
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